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グリーン化のステップ
アドービーの装備改良から学ぶ省エネとコスト削減
(“Stepping On the Green” Jan/Feb 2008)
ジェームスG.パーカー著
By James G. Parker
マスコミでグリーン化の大切さを強調する報道を毎日のように聞きますが、それには、環境保存、ごみ減量化、資源保護の問題があります。多くの不動産管理会社が、ビルのエネルギー効率を高め、健康的な仕事環境を作るために投資し、その目標達成のために不動産管理士に助けを求めています。この変遷は、本腰を入れなければ達成できない段階的プロセスです。
その良い例が、カリフォルニア州サンノゼに本部を置く巨大コンピューター・ソフトウェア会社、アドービー・コーポレーションです。アドービーは、カリフォルニア州サンノゼ市の中心部にある3棟の高層ビルに本部があります。アドービー総合ビルの一つであるウエスト・タワーは、2006年に、世界で初めて、米国グリーンビル協議会の既存ビル・リーダーシップ・イン・エネルギー環境デザイン・プラチナ・レベル(LEED)認定を受けました。アドービーの残り2棟のサンノゼ総合ビルも、その年末にプラチナ認定を受けました。アドービーのビルは、すべて既存のビルを設備改良してLEED認定を受けたのです。
LEED認定を受けてから9ヶ月の間に、アドービーは、州や地元の機関や公共事業から$389,000のリベートをもらい、年間運営費を120万ドル削減して、投資収益率121%を達成しました。
グリーンビルとは何か。
「グリーンビル」とは、厳密に言うと、米国グリーンビル協議会(USGBC)からLEED認定を受けているビルを指します。協議会によると、LEED認定を受けているビルは、運営費が安く、リース料が高く、他のビルに比べて占有者がより健康です。
しかし、LEED認定を受けるのは大変で、厳しく入念なプロセスなので、専門家に助けてもらう管理会社もあります。認定不動産管理会社、クーシュマン&ウェイクフィールド・オブ・カリフォルニアのクライアント・ソリューション・グループの総支配人である不動産経営管理士、公認経営管理士、ファシリティー・マネージメント管理者、不動産管理者のジョージ・デニース氏は、「米国グリーンビル協議会のコンサルタントに助けてもらいました」と述べています。クーシュマン&ウェイクフィールドは、アドービー・タワーの不動産管理会社です。
ビルの調整
LEED認定を受けるに当たって大切なのは、既存のビルをまず評価することです。アドービーのグローバル・ファシリティー・ディレクターのマイケル・バングス氏は、USGBCが「設備改良就役」と呼んでいるビルの認定プロセスを、車の調整に例えています。「調整は、車のシステムと部品、またその部品がお互いにどのように働いているかの評価です。目標とするところは、ビルのシステムの効果と効率を上げて、言わば工場から出荷したばかりの状態にすることです。」とバングス氏は述べています。
評価後、不動産管理士、あるいはそのチームは、ビルのすべてのシステムをテストして、それが協議会によって設定された基準に達しているかどうかを見ます。「実際何千ものパラメータを評価しました。その中には、新築のときは最高の状態であったが時間がたつにつれて悪化したシステムも含まれています。」とデニース氏は言います。
評価とテストが終わると、次のステップは、予算内でできる設備改良のブレインストーミングです。バングス氏とデニース氏によると、アドービーとクーシュマン&ウェイクフィールドが追求したグリーン・プロジェクトの多くは、会社でブレインストーミングしたアイデアだそうです。「私達のした事の多くは、努力と、良い、そしてとてもシンプルな(そしてローコストの)アイデアです。私達が実行したプロジェクトは、導入するのが簡単で、すぐに投資収益のあるものばかりでした。」とデニース氏は述べています。
このような骨の折れるプロセスを実行しようとする不動産会社の動機は様々です。運営費を下げたり、使用するエネルギーを減らしたりすることを目標としている会社もあります。ファシリティーの近代化や、環境排出物の削減を望む会社もあります。アドービーの場合は、環境的に責任ある商慣習への意欲である、とバングス氏は述べています。「私達は、環境保護庁の『エネルギー・スター』のステータスはもう取っていましたので、次のステップは当然LEEDであると思いました。ある意味、これは、私達がすでに達成したことの延長線上にあったのです。」
しなければならないこと
LEED認定プロセスの主なプロセスの一つはエネルギー効率です。デニース氏は、アドービーのLEED認定において検討された85の基準の中で、22はエネルギーに関するものであったと説明しています。「エネルギーと電気は、通常、どのビルでも一番コストがかかります。通常、ビルの総運営費の20-30%です。」
認定プロセスにおいて、アドービーは、70以上のグリーン・プログラムを140万ドルかけて導入し、公共事業や政府機関からのリベート以外に、年間120万ドルのコストを削減しました。
バングス氏によると、認定にかかる期間は、評価するビルによります。アドービーの場合、最初のビルの認定は1年、あとの二つは1年半かかったそうです。認定期間中、アドービー・タワーのビルのエンジニアは、トレーニングを受けました。バングス氏によると、ビルのエンジニアはすでに良い仕事をしていましたが、LEEDは、関係者全員にとって良い学習の機会になったそうです。「この努力の結果、ビルは大量のエネルギーとコストを削減し、従業員とゲストにとって非常に心地良いものになりました。」とデニース氏は述べています。
継続的なグリーン化
デニース氏は、ビルのグリーン化が管理会社にとって継続的な改善への動因であることを強調しています。「ビルのグリーン化は、一度やってそれで終わりと言うものではありません。私達は、私達がビルをどのように管理しているかということを常に見ており、より効果的な方法を探しています。新しい技術はいつも調べており、定期的に新しいプロジェクトを検討しています。」
例えば、今、アドービーの不動産管理士は、太陽光線がビルの気温に与える影響を減らすプロジェクトに取り組んでいます。「最高の状態で機能する冷暖房によって大分助かりましたが、今回のプロジェクトでもっと良くなるでしょう。私たちは、紫外線の99%と赤外線の95%を遮断する断熱透明皮膜を貼っています。」とデニース氏は述べています。
デニース氏は、グリーンビル・イニシアチブに対して相反する意見を持つ不動産管理士たちに、やってみることを勧めています。「使うエネルギーとコストを減らし、出るごみの量を減らすことは、不動産管理の大切な部分ですし、良い経営判断です。資源を無駄にしないことは大切です。」
ジェームスG.パーカーさんは、JPMの寄稿者です。この記事に関する質問の宛先 mnaso@irem.org
補足記事
LEED認定とは何か
LEED認定を受けるためには、協議会が新築と既存のビルを六つのカテゴリーについて評価します。
1. 地球に優しい場所 最高14点
2. 水道の効率性 最高5点
3. エネルギーと空気 最高17点
4. 材料と資源 最高13点
5. 屋内環境質 最高15点
6. イノベーションとデザイン・プロセス 最高5点
満点:69
ビルは、これらの分野の実績によってポイントを獲得し、点数によって認定のレベルが決まります。
LEED認定
26-32点、あるいは満点の37%以上
LEED認定シルバー・レベル
33-38点、あるいは満点の47%以上
LEED認定ゴールド・レベル
39-51点、あるいは満点の56%以上
LEED認定プラチナ・レベル
52-69点、あるいは満点の75%以上
新築と大規模改装のLEEDのカテゴリーや点数に関する情報は、www.usgbc.org/ShowFile.aspx?DocumentID=1095をご覧ください。
補足記事
アドービー・タワーの電力革命
アドービー・タワーの不動産管理士は、LEEDの認定プロセスにおいて、約70のグリーン・プロジェクトを導入しました。
インパクトの大きかったプロジェクトをいくつか紹介しましょう。
• 照明:管理士たちは、ビルと駐車場の照明を、新世代の高性能蛍光灯に交換しました。これらの照明の交換は簡単で、アドービーの電力消費量が60%減りました。
• モーター変速駆動:エンジニアは、電気モーターを使うすべての装置に、変速駆動を取り付けました。一定速度でモーターを駆動させる替わりに、変速駆動は、必要に応じて速度を変えるので、より効率的です。
• ケーブルタップ:エンジニアは、オフィスに人がいるかどうかを判断する行動探知機の付いたケーブルタップを取り付けました。オフィスに人がいないと、照明、コンピューター・モニターなど部屋にある機械類、卓上スタンドなどを消します。ケーブルタップは、従業員一人当たり月$3.00の節約になり、これはかなりの額です。
• 灌漑システム:節水のために、アドービーは、衛星を利用した植栽の灌漑システムを導入しました。地価灌漑システムのほとんどは、効率が50-60%ですが、アドービー・タワーで使っているシステムは90%で、ビルの植栽の灌漑用水を76%削減しました。
• 水の要らない小便器:アドービー・タワーは、節水のためにサンノゼで最初に水を使わない小便器をつけたビルです。当時の建築基準法では、そのような小便器は許可されていなかったため、アドービーとクーシュマン&ウェイクフィールドは、特例を出してもらうために市議会で議論しなければなりませんでした。
• 屋内空気質:アドービーは、換気システムの効率を上げて、新鮮な空気を屋内に入れ、屋内空気質を改善しました。また、不動産管理士は、行動探知機のテクノロジーを導入して、会議室の空調効率を上げました。今では、行動探知機が部屋に人がいるかどうかを判断して、いるときだけ部屋の空調をしています。
• 駐車場換気扇:調査をした結果、不動産管理士とビルのエンジニアは、換気扇は人の多いときにのみ必要であることがわかりました。この簡単な変更によって、年間$98,000の節約ができました。
補足記事
LEED認定を受けるための段階
• 既存のビルを評価してください。ビルのそれぞれのシステムは、お互いにどのようにして働いていますか。効果的かつ効率的ですか。
• ビルのすべてのシステムをテストして、米国グリーンビル協議会の既存ビル・リーダーシップ・イン・エネルギー環境デザイン・プログラムの基準に達しているかどうか見てください。
• 予算と時間に基づいて、どのグリーン・プロジェクトをするかブレイン・ストーミングしてください。どのプロジェクトがローコストですか。どのプロジェクトが簡単に導入でき、早く投資収益が上がりますか。
• グリーン設備改良をしてください。
• 米国グリーンビル協議会のLEED認定のステップに従ってください。
1. 資格のあるビルは、以下で登録してください:www.usgbc.org.
2. ビルの運転データと運用手順を文書化して、申し込みの準備をしてください。
3. 認定申込書をUSGBCに提出し、審査員が必要とする補足的な情報を提供してください。
4. 米国グリーンビル協議会から、最終的なLEED認定検査を受けてください。
LEEDの認定の更新は、毎年することができますが、最低でも5年に1回はしなければなりません。年次認定は、ビルの運営者がビルの実績調査や予算のために毎年フィードバックしてほしい場合、あるいはLEED認定のスコアがビルの質の秤としてリースの中に含まれている場合に有益です。認定更新に必要なものは、ポリシーの変更に関する文書と、最初に認定してもらったとき以降の運転データだけです。

アドービーの造園に使われている植栽の多くは、地元地域の微気候に類似したものです。そのほうが地域環境によりよく対応でき、維持するのに手間がかかりません。

アドービーは、常時ではなく、人が多いときだけ駐車場の換気扇を使うことにして、かなりの省エネを達成できました。

アドービーの不動産管理士は、現在、ビルの中に入る太陽光線の紫外線と赤外線を減らすプロジェクトに取り組んでいます。
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