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変化を恐れるな
(“Fear No Change,” May/June 2008)

変化とイノベーションを生かした組織戦略が不動産会社を救う

ラリー・シュヴェンカー、CPM®, RPA, CCIM著

急速な技術革新によって、不動産会社のビジネス環境は、常に変化しています。同時に、不動産管理士や管理会社を指揮する立場にある者は、物件管理の一貫性と安定性の必要性を実感しています。

会社で、大きな変化をうまく取り入れていくためには、トレーニング、コミュニケーション、作業過程の変更、金銭的影響などを検討しなければなりません。

変化は確実
技術革新に伴って会社の経営方法が変わることは避けられません。会社は、組織内における変化を管理する計画を立てなければなりません。

会社が決めなければならないことは、新技術を導入するかどうかではなく、そのペースです。一つの会社がイノベーションにどうアプローチしようと、業界は、最終的に特定の技術を取り入れ、それが全体に普及していきます。ですから、すべての会社は、イノベーションのリーダーとなるか、追随者となるか、そのアプローチを決めなければならないのです。事実上この問題に正式には対処しないという決断をしたとしても、それが、その会社と市場の競合他社との相対的な位置づけを決めることになります。

実効的な変化は、不動産会社全体の成功に影響を与える可能性がありますので、リーダーは、イノベーションに対する全体的なアプローチに関する戦略を検討しなければなりません。

経営コンサルタントで、著者でもあるピーター・ドラッカーは、彼の多くの著書の中で、変化がチャンスではなく障害であるとみなされていることについて述べています。不確実性のゆえに、私たちが生来変化を拒絶することについては、多くのことが語られています。長期的な戦略のビジョンがなければ、リーダーは、行き当たりばったりに対処するよりほかありません。

逆に、変化の必然性を受け入れて、それをビジネス戦略に取り入れる不動産管理会社は、大きな益を受けるでしょう。

一見して、一貫性と言う目標と変化と言う目標には、相容れないものがあります。しかし、この二つの目標を違った観点から見ることによって、これらを同時に達成することが可能となります。規則的な変化を促進する運営体制を使うことによって、会社は、変化を受け入れるだけでなく、そのサービスを差別化するために活用することができます。

発想を変える
常にイノベーションを生かして競争力をつける会社を作ることは、決して簡単ではありません。このような戦略が成功するか失敗するかには、いろいろな要因があります。

大切な起点は、会社のトップです。会社のリーダーは、イノベーションが事業運営戦略の基本的要素であることを認識するビジネス・モデルを、積極的に導入しなければなりません。ただ単に会社の資源の一部を技術改善に当てるだけでなく、会社に、改善を継続的に取り入れていく体制ができていなければなりません。

ロバート・カプラン博士とデイビッド・ノートン博士が開発したバランス・スコアカードは、継続的に変革していく会社の要素をうまく例証するビジネス・モデルの一つです。

このモデルは、イノベーション戦略の指針として作られたものではありません。と言うより、これは、変化のない運営の基本骨格を維持する会社と、継続的に改革していくように作られている会社の、戦略的発想の違いを説明するものです。

バランス・スコアボード・モデルは、組織戦略と目標を、財務、クライアント、会社内部、学習と成長と言う四つの視点から見ます。
バランス・スコアカード・モデル

このモデルは、イノベーション(成長と学習)がすべての組織的視点の改善要件であり、4分野すべての成績向上の根源であるとみなします。また、組織能力と顧客満足、そして最終的には財務実績との関係を見出し、これらの分野における測ることのできる改善の必要性を特定します。会社がイノベーションをし続けることによって、中核業務の改善が、社内業務、クライアントの実績、また財務実績を向上させる原動力となります。

会社をこの視点から見ることによって、長期的競争力形成の内的指標と、短期的財務的結果の外的指標と言う、一見拮抗すると思われる作用をつなぐ戦略を作り、導入することができるようになります。

このようなアプローチをする会社には、そのビジネス戦略の中にイノベーションが組み込まれており、会社の業績達成能力が体系的に向上します。

このモデルは、イノベーションの成功に欠かせない要因、つまりイノベーションのチャンスを発見すると言うことが第一段階に過ぎないと言うことも、明らかにしてくれます。チャンスは、目に見える結果をもたらさなければならないのです。前述したように、会社に大きな変革をもたらすためには、いろいろな要素を検討しなければなりません。

会社を際立たせる戦略
イノベーションに対して戦略的なアプローチをする会社は、革新的な解決策とクライアントへの卓越したサービスによって、競合他社と差別化することができます。この競争力は、会社がどれだけうまく、効果的に、そして独自に新しい技術を取り入れることができるかによって決まります。

図に示したように、イノベーションの速さ(市場に出す速さ)は、イノベーションで競争しようとする会社にとって、非常に大切です。市場が一般的に期待するレベルのサービスや競争力ではなく、イノベーションによってサービスの差別化(付加価値サービス)を計るためには、限られた時間しかありません。それは、サービスが始まってから、その付加価値サービスが市場で一般的に期待されるものになるまでの時間であると言えます。

 

したがって、革新戦略の長期的成功は、特定のイノベーションによって決まるわけではありません。それは、常に市場より早くチャンスを見出し、新しい技術を導入してサービスの差別化を利用し、会社に益をもたらす能力なのです。

革新的成功のステップ
ほとんどの人は、イノベーションと聞いて最初に不動産管理会社を連想することはないでしょう。確かに、サービス業や不動産管理会社は、製造業ほど革新戦略によって利益を得ることはないかもしれませんが、その性質上、不動産管理業界には、イノベーションのユニークなチャンスがあります。今ほど、この変わりつつある世界が、不動産管理士に創造性を求めている時代は、ほかにないでしょう。

以下は、イノベーションのリスクとコスト最低限に抑えるためのいくつかの実践的なアイデアです。

1) イノベーションの導入 -- 不動産管理士の観点から見て大切な点は、技術的テクノロジーが、既存のテクノロジーの導入を意味しているということです。私たちが新しい技術を開発しようとしているわけではありません。このアプローチは、経済効果を上げるための時間を短縮し、投資と開発コストを下げ、導入が成功する可能性を上げます。

2) 革新的な業界の発見 -- ビジネスのどの分野を評価するかによっても違いますが、不動産管理士は、ほかの業界でうまく行っていることがすでに証明されているものを探すべきです。技術革新に関しては、不動産業界は他の業界に遅れをとる傾向があります。この業界には中小企業が多く、大きなプロジェクトのための資本がないことが、その主な理由です。

イノベーションは、すでに開発されているものを独自に再開発するのではなく、既存の解決策を不動産管理のビジネス・モデルにカスタマイズすることによって、達成することができます。ペーパーレスの請求システムであろうと、新しい顧客サービスの手順であろうと、ほかの業界がすでにそれらの解決策を導入している可能性が大です。これらのアイデアを借りることによって、経済効果を上げるための時間を短縮し、開発コストを下げ、導入が成功する可能性を上げることができます。

3) 簡単なことにまず取り組む -- 大金を投資しなくてもイノベーションを取り入れる方法はいくらでもあります。管理士は、物件のレベルにおいても費用効果の高い新しいツールが常に取り入れられていることに留意するべきです。イノベーションとは、必ずしも総合的な解決策である必要はありません。全体的なイノベーションの戦略に合ったものであれば、段階的にイノベーションを取り入れることも可能です。

4) イノベーションの文化の維持と育成 -- イノベーションは、会社が新しいアイデアを考えただけではできません。それらのアイデアを適用できなければなりません。イノベーションを価値あるものにするためには、会社全員が同じビジョンを持ち、参加することが必要です。リーダーは、従業員にイニシアチブを持たせ、しっかりした取り組みを励ますことによってイノベーションに適した環境を作らなければなりません。

リーダーは、イノベーションの成功を報い、ある程度の失敗は受容する用意があることを示さなければなりません。リーダーは、失敗が、創造性とイノベーションのプロセスに参加する意思を摘み取ってしまうことを許してはなりません。

イノベーションへの応答を避けることのできる会社はありません。必要な場合のみ業界の変化を受け入れる会社もあれば、リーダーシップを取って、いろいろな問題の革新的な解決策を提供する会社もあります。

IREMには、将来のチャレンジに直面するためにリーダーを育成する豊かな伝統があります。私は、多くのメンバーが、将来への道を開き続ける責任をもたなければならないと感じてくれることを願っています。

ラリー・シュヴェンカー、CPM, RPA, CCIMは、アトランタのブライアント管理サービスの管理サービス部長です。ラリーは、また、不動産会社が革新的な技術や商慣習によってより効果的な運営をすることができるように、商業系不動産会社を助けるテクノロジー・コンサル会社、コーヴィデア・ノーレッジ・ソルーションの創立者でもあります。お問い合わせは、www.corvidea.com、電話 (770) 343-8571へどうぞ。

 

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