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テンポの早い世の中における不動産管理
コミュニケーションと顧客サービスの優先

JPM2008年11-12月

シャノン・オルター、CPM®

金曜日の午後、あなたは大切なクライアントとの夕食の約束に遅れそうです。火曜日にはプレゼンをしなければならないし、一番優秀な管理士は辞めるし、予算は出さなければなりません。月曜日は祭日ですが、休んでいる場合じゃありません・・・。仕事をしないと追いつきません。泣きっ面に蜂・・・上司から電話があって、あなたの物件がまた売りに出たそうです。

周りを見渡してください。今日の不動産の世界はグローバルで、1日24時間、週7日、いつ何が起きるか分かりません。不動産は、合図一つで売り買いされます。毎日のように、新興国が不動産市場に参入します。ここ数年の間に、ビルのオーナーや管理会社の変更を経験したことのない人などいるでしょうか。最近、経営幹部が代わった会社がいくらあるでしょうか。不動産業界の回転が速くなるにつれて、物件の売買だけでなく、適材を適所に置き、オーナーの目標を達成し、テナントを保持するには、大きな苦労が伴います。

オーナーは何を求めているか
簡単に言うと、オーナーは知識のあるトップの管理士を求めています。それは簡単なことでしょうか。必ずしもそうではありません。いろいろな仕事を一度にしていれば・・・報告が遅れたり、デューデリに欠けている部分があったり、テナントが保持できなくなったり・・・、必ず失敗することもあります。各国のオーナーや経営幹部は、今日の不動産管理士を同じような目で見ています・・・多くの管理士は、物件の財務的状況に通じておらず、コミュニケーションが下手だと感じていても、驚くには及びません。多くの場合、管理士は小さなことで忙しくしておりオーナーの目標達成と言う自分の本当の役割を忘れています。

では、物件を、最善を尽くして管理するには、どうすればよいのでしょうか。以下は、私が長年の経験の中から学んだいくつかのアイデアです。

基本にもどれ
まず、ステージの設定から始めましょう。演劇を見た人は分かるでしょうが、最終的なプロダクションは、役者と一団の努力と準備があって、初めて可能なのです。役者は自分の役を調べ、せりふのリハーサルをし、一団は照明の合図を練習し、小道具を準備しなければなりません。観客が、最終的に磨き上げた劇を見るのではなく、この準備を見るとしたら、それは非常にもどかしいものになると思います。不動産の世界でも同じです。練習してこそ完璧になるのです。

最近のトレーニング・クラスで、物件の毎月の財務諸表を、差異報告書も含めて、いつも見ている人が何人いるか調べました。驚いたことに、手を上げた人は一人もいませんでした。私は、すぐに宿題を出して、オフィスに戻って自分の物件の最近の財務諸表を調べさせました。役者がせりふを覚えていなければならないのと同じように、不動産管理士はお金の行き先を知っていなければなりません。財務状態を調べないで、物件の実績やオーナーの目標を理解することは不可能です。普段から調べていれば、効果的にその傾向を発見でき、物件の実績を高く保つことが容易になります。

偉大な役者も、脇役の助けがなければなりませんので、自分のスキルを補ってくれる人を回りに置くことも大切です。あなたのスキルが人事や財務分析であれば、建物や建築に強い人を雇ったり開発したりして、チーム作りをしてください。特定の分野で自分よりも能力のある人を雇う気がなければなりません。部下から学ぶことも出来ます。

大切なことに焦点を当てる
日常の仕事にはきりがありません。配管の問題や、従業員の問題、テナントのトラブルなどがいつも気になります。これらの問題も解決しなければなりませんが、それだけに焦点を当てるとオーナーの目標達成という本当に大切なことを見失ってしまいます。私は、最近、ある小さなショッピング・センターのオーナーにコンサルを頼まれて、予算会議に出ました。その物件のチームは、オーナーがどの資本改善を必要としているか、迷っていました。このジレンマの答えは比較的簡単でした。オーナーに、物件の目標を聞かなければならなかったのです。

不動産管理士は、オーナーの優先順位が変わることを理解していなければなりません。合併があるかもしれませんし、新しいプレヤーが有利な地位を得ようと画策しているかもしれませんし、世代の変化が起きているかもしれません。市場の変化と、トップの人の優先順位の変化のペースについて行くことは、非常に大切です。彼らと一緒に行動し、反応できなければなりません。

子供のいる人は分かると思いますが、宿題を見てあげるとき算数、英語、歴史など、忘れてしまったことを思い出さなければならないこともあります。不動産管理においても、焦点を変えること、柔軟性を持って新しいアイデアを取り入れることなど、思わぬところで技術やスキルを復習することがしばしばあります。

価値を上げることが鍵
不動産管理士の主な責任は、価値を上げることです。しかし、管理士は、どのようにして価値に影響を与えるのか常に理解しているわけではありません。この概念には、計り知れないものがあるように思われます。オーナーが物件を近い将来売るつもりであろうと、長期的に保有する人であろうと、価値を上げてそれを維持したいのです。この概念を、以下のいくつかの部分に分けてみましょう。

物件の市場における位置づけを理解してください。これは、競争相手をよく理解することと同じように大切です。あなたの目標は、物件の周りの市場を正確に評価して、市場家賃を達成できるかどうかを判断することです。物件が人里離れた場所にない限り、近隣のオフィスビル、小売センター、アパートなどと、テナント、顧客、クライアントを取り合うことになります。

価値を上げるために最初にしなければならないことは、物件を客観的に評価することです。いいことも悪いことも、皆知っていなければなりません。小売センターは、場所がよくないので、集客が困難ですか。アパートの電気製品は古くなっていますか。逆に、センターは市場の一等地にありますか。オフィスビルには、良いテナントが入っていて、すばらしい管理チームがいますか。

次に、競合物件と、それらがオーナーの目標達成にどのような影響を与えるかを、できる限り調べてください。オフィスビルのオーナーが平方フィートあたり$35の家賃が取れると思っており、市場家賃が下がって$33になったとするならば、あなたの仕事は、価値を上げると言う目標を達成するための家賃設定を提案することです。

下調べをしてください。まず、物件から始めてください。物理的にも財務的にも、物件のことを徹底的に知り尽くさなければなりません。最後に物件の点検をしたり、テナントを訪ねたり、差異報告書を精査したりしたのはいつですか。残念なことに、問題解決が遅すぎてテナントを失ってしまうことがよくあります。同じようなことが、必ず将来また起こるでしょう。それが来るまで待っていてはいけません。積極的になってください。物件を点検するときは、オーナーやテナントとして考えてください。どのような問題がテナントの事業の成功を妨げる、あるいは物件の実績を下げるでしょうか。激論を引き起こす恐れのある問題は何でしょうか。テナントが出る、あるいは見込み客が他の物件を選んだ場合は、理由を考えてください。もっと適した、あるいは安い場所を見つけたのでしょうか。コミュニケーション、メンテ、あるいは支払の未解決の問題があったのでしょうか。

次に市場分析をしてください。テナント(そしてそのクライアントや客)はどこから来ますか。それを調べるためには、物件の地域と近隣の経済的また人口統計学的調査をしなければならないでしょう。もちろん、近隣、地域、さらには国全体の経済状態が家賃に影響を与えるでしょう。雇用は低下していますか。地域の人口は増えていますか。これらの要因が、オフィス、小売、アパートの需要に影響を与えます。通常、人口統計には、年齢、人種、性別、配偶者の有無、世帯収入、家族構成、教育などが含まれます。

この情報がない場合は、どうすればいいでしょうか。社内に調査グループがない場合は、物件のブローカーから始めてください。多くの仲介会社は、市場の統計や分析の情報やレポートを豊富に持っており、教えてくれます。他の管理士に聞くのも良いですし、オンラインの情報もあります。新しい市に行く、あるいは新しい物件を引き受ける前に、私は必ずCPMの住所録を調べて、IREMの同僚に電話します。断られたことはありません。よく知らないところで仕事をするときのもう一つの方法は、地域の仲介業者を調べることです。彼らは、通常、地元のブローカーや管理士のリストを持っており、オンラインの市場レポートを提供しているところもあります。

あなたの物件の競争上の優位性が何か調べてください。あなたの物件は、最も新しいものではなかったとしても、最高のものであるかもしれません。その物件にはどのような特徴がありますか。競合物件から差別化するユニークな特徴は何ですか。自分の物件の競争上の優位性を知っていることは、家賃を上げるための鍵です。それらの要素を、比較表を使って競合物件と比べてください。

以下は、比較する特徴の短いリストですので、これを使って始めてください。

  • 場所
  • 築年数
  • ビルの外観
  • ビルのインテリア
  • 駐車場
  • アクセス
  • 視認性
  • サイン
  • テナント・ミックス、相乗効果
  • 敷板
  • ビルのシステム

ブローカーや鑑定士は、市場比較情報の非常によい情報源です。比較表のサンプルは、IREMFIRST.orgにもあります。

顧客サービスがものを言う
世の中が忙しくなるにつれて、昔ながらの顧客サービスが忘れられがちです。私は、最近、エアラインで、飛行機に遅れそうになったり、情報が間違っていたり、従業員の態度が失礼であったり、多くの問題に直面しました。予約の代表番号に電話したところ、全く何も知らない人が電話に出ました。しかし、これらの問題が本当の問題ではないのです。一番の問題は、エアラインの従業員の態度が悪く、謝罪をしなかったことです。幸い、一人優しい人がいて、「オルターさん、これは問題ですね。こういうことは、起きるべきことではありません。」と言ってくれました。

彼女の言うとおりです。私たちは、テナントとの会話においても、同じような態度を取るべきです。その日どんなことが起きても、クライアントが突然オフィスに尋ねて来たり、会計が家賃収入をすぐに見たいと言ってきたり、営業時間後にテナントから連絡があったりしても、これはショータイムなのです。裏方の仕事を毎回途切れなくこなすことが、私たちの仕事です。間違いを犯したときでも、顧客は、通常、私たちがそれにちゃんと対処すれば許してくれますので、問題を解決して、失敗から教訓を学びましょう。

顧客サービスがうまく行っていることを確認するために、以下の四つの質問に答えてください。

  • 私たちの客は誰か。毎日受け取る莫大なリクエストや情報について考えてみてください。あなたが急いでいるときや時間がないときは、人に邪魔されているように感じます。まだ若い頃、ウェスティン・ホテルで働く機会がありました。私の上司は私にとってよき師で、「誰でも誰かのお客さんだ」と言っていたのを、今でも覚えています。と言うことは、あなたが日常の仕事で出会う人は誰でも、上司であろうと、クライアントであろうと、テナントであろうと、物件の会計であろうと、業者であろうと、物件のブローカーであろうとあなたのお客さんになりえます。社外の人も社外の人も、あなたのお客さんのリストを作って、毎日見ることのできるところに置いておいてください。
  • 会社をどのようにしてお客さんに近づけることが出来るか。人は、あなたの言うことにいつも賛成してくれるわけではありませんが、尊重されたと感じてもらえるような伝達の仕方はできます。これには、練習が必要です。カリフォルニアの小売開発業者であるダナヒュー・シュライバーの社長でありCEOであるパトリックS.ダナヒューさんも、同じ考えです。「私たちは、オフィスから出て行ってお客さんと話をし、彼らが何を必要としており、私たちが彼らの問題をどのように解決できるか考えなければなりません。この夏、私は小さなショッピング・センターのコンサルの仕事をしていました。私は、管理士に、物件を見せてもらいました。1時間ほど見ましたが、テナントは一つも見せてくれませんでした。なぜか聞いたところ、管理士は、「私はテナントが嫌いなので、店には入らないことにしている」と言うのです。コミュニケーションはどれだけ取れていると思いますか。ゼロです。顧客満足度はどの程度でしょう。それもゼロです。
  • よいサービスを提供するチャンスを作るにはどうすればいいでしょうか。チャンスの層を作ることを考えてください。クライアント、テナント、業者とのすべての対話が、人間関係を作るためのチャンスです。管理士は、テナントと話さなければならないのはリース更新のときだけだと思っていることが多いのです。テナントがどのようなコミュニケーションを望んでいるか、アンケートをとってみてください。電話、メール、訪問など、彼らは何を望んでいるでしょうか。望んでいるコミュニケーションの頻度は毎週、毎月、あるいはゼロでしょうか。コミュニケーションは、形式的な手紙でなければならないと言うことはありません。私のある総支配人は、10万平米の物件を管理していましたが、毎朝ロビーに立って、出勤してくるテナントに挨拶していました。彼は、人間関係を作る機会を作り、テナントへの忠誠を示したのです。
  • 約束を果たせますか。車を修理に出したことのある人は分かると思いますが、約束と言うものは大切です。修理工が、その日の内にちゃんと直すと約束してくれれば、そうなることを期待します。そうならなければどうでしょうか。がっかりするでしょう。電話をしても出なかったり、さらに遅れたりすると、もっとイラつくでしょう。不動産でも同じです。約束を果たさないことほど、あなたやあなたの会社の評判を落とすものはありません。出来る見込みのあることだけを約束してください。でも、そこでとまらないで出来ればお客さんの期待を超えてください。ウォルト・ディズニーは、「人がまた来たい、友達を連れて来たいと思うほど、良くしてあげなさい」と言ったそうです。

テンポの速い世界では、何かを放ったままにしておくことは簡単です。しかし、物件に関してあなたがする日常の決断が、恒久的なインパクトを与えることを忘れないでください。スキルを磨いて、競争力をつけるための時間を取ってください。

補足記事
従業員を力づける
従業員を開発し、指導し、力づけることによって、チームは輝きます。仕事に最も適した人を雇った後は、どうすれば成功するのでしょうか。アイデアをいくつか上げましょう。

まず、便益を理解してもらってください。どさくさにまぎれて、従業員のことを忘れてはいけません。あなたが最初にしなければならないことは、彼らにとってそれがなぜ必要かを理解してもらうことです。不動産シンジケート運営者で働いていた頃、私は28州の不動産チームの雇用責任者でした。私は、新入社員が私たちの企業文化に慣れることが、組織の長期的成功の大切な要素であることを、経験から知っていました。

参加を促してください。誰でも、自分の意見を述べ、選択権を持つことを好みます。これは、職場環境では必ずしも可能ではありませんが、従業員が価値ある貢献をし、あなたの仕事がよりよくできるようにするための専門知識を持っているかもしれないということを考慮することは大切です。

責任を持たせてあげてください。ほとんどの場合、従業員は、家を焼いてしまうようなことはしません。本当に効果的なチームを持つためには、権限を委任してください。従業員に、彼らの知識を広げ、経験を豊富にする仕事を任命することは、彼らを価値ある人材にし、喜んでもらえるでしょう。また、そうすることは将来を有望にします。従業員を力づけることは、あなたの部署の人材が豊かになり、あなたの仕事が減り、自分の将来を切り開くチャンスを与えてくれます。

シャノン・オルター(Shannon.alter1@gmail.com)CPMは、カリフォルニア州サンタ・アナの不動産コンサルタントです。

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