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荒れ狂う時代の舵取り
経験のあるCPM®は、不況の中に希望の兆しを見る
JPM2009年1-2月
ジャニス・ローゼンバーグ著
現在の不況は、IREMの公認不動産経営管理士(CPM)を不意に襲ったわけではありません。彼らは、不動産の低迷が周期的に来ることは分かっていました。経済学者は不況が続くと予想していますが、経験のある不動産管理士は、地平線のかなたにある多くの商機を見ています。
「一流のプロのCPMが必要とされる時代が来ました。物件の位置づけを変える、あるいは将来物件が生き残れるようにするために何をしなければならないかを理解している、経験のあるCPMを、賢明なレンダーやオーナーは探すようになるでしょう。」と、インディアナ州サウス・ベンドのCBリチャード・エリス会長、ロバートBテュースエイカーCPMは述べています。
カリフォルニア州カーマイケルのマネージウエスト社長のJ.ベンジャミン・マッグリューCPMも同意見で、このような困難な時代に問題を抱えている物件のオーナーを助けるIREMの教育とトレーニングの価値を理解しています。
「今は、過去にない数の物件が同時に市場に出ています。」
マッグリュー氏は、問題を抱えた物件を好転させるために- CPMやAMOの称号- を持った人を雇うことの必要性を強調しています。
CPMやAMOの会社は、他とどのように異なるのでしょうか。ワシントン州ウッジンヴィルの不動産コンサルタント、リチャード・ミュールバックCPMは、CPMはCPMの称号を取るために、- 管理計画書と呼ばれるビジネス・プランを作らなければならないので、- 管理するすべての物件の計画書を作るように訓練されていると述べています。それによって、CPMは、問題を抱えた物件を管理するために雇われるときに、その分析能力と想像力を示すことができるのです。
濁水を見分ける
不動産ビジネスに関わっている者にとって、経済の変化の兆候を知っていることは、よいタイミングで適切な行動を取るために欠かせません。
「不動産の市場が良いときは、不動産業界の人は誰もそれが終わるとは思いません。不況のときは、通常よりももっと長くそれが続くと考えがちです。しかし、不動産に関わっているCPMは、周期があることを知っています。難しいのは、周期の予測です。(ミュールバック)」
経験のあるCPMは、今回の不況の初期の兆しに敏感でした。マッグリュー氏にとって、これらの兆しの一つは、問題のある物件の破産管財人になってくれという弁護士からの電話をいくつか受けたことでした。このような仕事が増えて、マッグリュー氏とその従業員達は、2008年2月から、週6日働き、財産管理や破産訴訟において、彼らのCPMとしての価値を証明してきました。
マッグリュー氏は、銀行の顧客への信用枠が下がったことも、将来不況が来ることの兆しであると考えました。不動産破産管財人として働いたことのあった彼は、ほこりをかぶっていた法律に関する本を読み直して、来るべき新しい仕事に備えたのです。
「今回の場合、住宅市場が不況の最前線にあります。住宅の次は小売です。つまり、住宅産業が止まってしまうと、次がアンカー・テナントのいない道路沿いのショッピング・センターで、それにオフィスビル、そしてそのほかの商業系のものが続きます。(マッグリュー)」
兆候は場所によって異なり、その地域の雇用市場によることが多いです。例えば、テュースエイカー氏によると、ガソリンの値段が上がったことで、自動車業界の不況がさらに悪化したミシガン東部は、現在の不況前から弱かったと述べています。
同様に、1年半前、ガソリンの値段が上がり始めたとき、テュースエイカー氏は、インディアナ北部のレクリエーショナル・ビークルとプレハブ住宅業界が衰退し始めたことに気づきました。彼は、これを、この地域だけでなく、全国的な不況の警戒信号であると受け止めました。
テュースエイカー氏は、フロリダのマンション市場の衰退も、初期の赤信号であると考えました。
「売れないで困っている開発物件の入札に招かれました。完成していても- 売れない- ユニットはアパートにして、私たちは、混合物件を管理しようとしました。(テュースエイカー)」
ラスベガスのH&L不動産管理会社の社長、バーバラ・ホーランドさんは、2007年の地元の住宅市場の下落が不況の兆しであると考えました。それを考えに入れて、2007年の第四四半期に、会社は市場調査を広げて、広範囲にわたってアパートをすべて訪問しました。
「私たちは、私たちの強みを宣伝するチラシを作って、これらの物件をターゲットにしたのです。私たちは、リーシングとマーケティング・プログラムにもっと時間をかけて、定期的に現場の管理士を訪問しました。(ホーランド)」
ホーランドさんの懸念は的中しました。2008年の第一四半期に、ラスベガスの建築業界で、35,000人以上が失業しました。スケールの大きな建築現場は工事が止まり、2010年までは再開されないと思われます。大きなホテルも従業員を解雇しています。多くの従業員が州外に引越し、あるいはその予定で、空いた住宅が増えています。
チャンス到来
CPMは、再開発や再利用の創造的な着想を使って、大失敗を好機に変えることができます。これが、彼らがCPMの称号を取るための最後のステップであり、それによって彼らは差別化されるのです。
90年代初頭に、ミュールバック氏は、アラスカ州ワシラの半分空室になったモールを埋める新しい方法についてブレインストーミングをしていました。彼の会社は、まず、最有効利用管理計画を作り、一時的なテナントを募って、空室を宣伝するプログラムを作りました。一つは、商工会議所が入って、家賃は無料にしました。もう一つはラジオ局が入って、家賃の支払の一部として管理会社のラジオ版スポット広告をしてくれました。
「時には、考えた最有効利用が経済に関係なく最高であるがゆえに、そのまま続けたものもありました。また、アラスカのこの事例のように、一時的にしか最高でないものもありました。(ミュールバック)」
同じく90年代初期に、ミュールバック氏は、この最有効利用の考え方をワシントン州の小さな囲い込んだ屋内モールにも適用してみました。このモールには、主要テナントが二つと、5,000平米の小店舗があり、- それはすべて空室でした。
「いくつかのタイプの物件を見ると、元のコンセプトに間違いがある事が分かることもあります。市場がよいときでもこのモールは大変でしたが、不況になると、完全にだめになりました。」
ミュールバックは、駐車場に背を向けて並んでいる店舗を逆向きにして、外側から中に入れるようにしました。モールの反対側の林に背を向けた店舗は、地域短期大学の学外教育の教室としてまとめてリースしました。
もう一つのクリエイティブなアイデアとして、管理計画書を見て、市場分析をし、既成概念にとらわれずに考えた結果、マッグリュー氏は、会社が2002年に破産宣告して空室になった、もとKマートがあった冷暖房付きの場所を、ミニ倉庫設備に変えるよう提案しました。レンダーは二の足を踏みましたが、マッグリュー氏は、この地域の人口統計を見ると、- ガレージや倉庫のない小さなユニットに住んでいる人が多く、- 彼のプランがうまく行くことを説得しました。理解してくれたレンダーは、Kマートの大きな駐車場にフェンスを作って、トレーラーハウスで乗り入れできる倉庫を開発することに合意してくれました。
同じようなチャンスは今もあります。例えば、テュースエイカー氏は、最近、- 途中で売れなくなった-マンションの開発業者が、売れ残ったマンションをアパートに変えるのを手伝いました。
「この物件がアピールする一つの市場は地元の大学の学生でした。マンションのオーナーと賃貸入居者が仲良く住めるように、学生達だけのパーティーをするのではなく、彼らのためにパーティーをして、住んでいる人全員を招きました。(テュースエイカー)」
不況が他のビジネスにも影響を与えるようになると、新しいチャンスも生まれてくるでしょう。例えば、マッグリュー氏は、交通量の多い主幹道路の車のディーラーの跡地を、巨大なサインを建てる会社に提供することを考えています。
「インタラクティブ・サイン」と呼ばれるこれらの電子掲示板は、最高20社の宣伝を繰り返し、会社一つにつき月最高$8,000の収入があります。
「ちょっと目障りですが、不況のときの物件の用途の一つです。市は、納税額が増えるので、好んでくれます。車のディーラーほどの税収入はありませんが、全くないよりは少しでも税金を納めてくれたほうがよいので、ほとんどの市は好意的にサインを承認してくれます。(マッグリュー)」
ノーハウの適用
潜在的クライアントのより大きなニーズをものにすることのできるCPMは、不況のときこそ、仕事は減るのではなく、増えるのです。
例えば、テュースエイカー氏は、既にいくつかの新しい契約を結びました。一つは、自分で自分の物件を管理していてうまく行ってない人から、もう一つは、物件を建築中に不意打ちを食らった小売物件の開発業者です。
「不動産の業界に参入して自分で管理できると思っている人はたくさんいます。物件は、プロの管理士がするような最善な状態ではないかもしれませんが、景気がよければ、欠点も隠れています。しかし、不況になっていろいろうまくいかなると、彼らは助けが必要になります。(テュースエイカー)」
今あるクライアントのニーズが増えることも、CPMが焦点を当てるべき大切な事柄の一つです。住宅市場が悪くなるときには、更新を徹底させることが重要であるとホーランドさんは述べています。彼女の会社では、アパート入居者のために更新ピザ・パーティーをして、リースを更新してくれた人には、カーペットの洗浄などの報酬を出しています。
新しい入居者を呼び寄せるためには、紹介してくれた入居者に紹介料を出すことをホーランドさんは勧めます。同様に、奨励プログラムは、管理会社の従業員がアパートを満室にする動機付けにもなります。
CPMがクライアントのこれらの問題解決に関わるにつれて、管理の仕事はより大変になるとテュースエイカー氏は述べています。不況のとき、CPMは、クライアントをなくさないようにするために、あるいは新しい仕事を見つけるために管理手数料を下げる必要はありません。
「不動産管理業界は、一貫性があります。不況のときでも、不動産オーナーは物件を管理する人が必要です。通常、不況のときに業界の不動産管理士の数が大きく減ると言うことはありません。どちらかと言えば、いくつかの物件が市場に入るにつれて、業界はゆっくりと成長を続けます。(ミュールバック)」
IREMの執行副社長であり、最高経営責任者であるラッセルC.サルツマンも、市場を見守っていますが、CPMの知識と専門能力を発揮する機会があるという考えに合意しています。
「CPMとの会話の中で、ビジネスが飛躍していると言うことを良く聞きます。物件のオーナーは、不況時代に入って、称号を持った人、経験のある人、- IREMの人- を雇って、彼らの物件を管理してもらおうとしています。私たちのメンバーは、この渦巻く嵐の中でどうやって生き残るかを教えてあげることによって、クライアントを集めているのです。(サルツマン)」
チャレンジと先行き不安はありますが、今こそ、CPMが問題を抱えた物件に取り組み、奮闘しているオーナーにその技能を提供するときだ、とマッグリュー氏は述べています。
「CPMは生命力があります。- 生命力があるだけでなく、- 楽観的です。(この状況においても)希望の兆しはあり、私たちにはそれが見えます。(マッグリュー)」
ジャニス・ローゼンバーグは、JPMのフリーランス・ライターです。この記事に関する質問は、mnaso@irem.orgへどうぞ。
補足記事
新CPMは嵐を乗り切るべきでしょうか
称号を受けた不動産の専門家としてキャリアを始めたばかりの人は、仕事の選択がこれで良かったのかと迷っているかもしれません。しかし、経験あるCPMは、これ以上よいタイミングはないと考えています。
「向こう3-5年は、業界に入ったばかりの新しいCPMにとって、非常に良い勉強の機会になると思います。この不況がどのように続くのか、どのような解決策を講じるか、物件の再位置づけ、分析のプロセスの進め方など、- 楽な時代よりも厳しい時代の方が、ずっと勉強になります。(テュースエイカー)」
経験のあるCPMは、これらの学習機会を利用するよう、新規参入者に以下のようなアドバイスをしています。
まず、「場所、場所、場所」が不動産の真髄を表すモットーであるとするならば、「教育、教育、教育」が不動産管理を始めようとしている人達の基礎をなすテーマであると、ミュールバック氏は述べています。現場のトレーニングももちろん欠かせませんが、新人にとって、教育の枠組みがあれば、より早くトレーニングの便益を受けることができます。
次に、教育の基本ができたら、新CPMは、ネットワークの機会を利用するべきです。自分の隣に座っている人に話しかけてください、とミュールバックは述べています。人生もビジネスも、経験の積み重ねであり、ネットワークすることによって、お互いに経験を分かち合うことができます。
財産管理
財産管理とは、影響を受ける当事者達の利益を守るために、裁判所によって物件が公平な第三者(破産管財人)に委任されることです。訴訟で争っている物件を管理する特別なトラストが設けられます。
破産管財人とは、審理中の破産や請戻し権喪失の対象となっている物件を管理するよう、裁判所によって任命される人です。破産管財人の役割は、オーナーによって放置された、あるいは詐欺や管理不行き届きがあったと申し立てられている物件を保護することです。競売後の法定償還期間中、破産管財人が任命される州もあります。