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お宅のテナント、大丈夫?
JPM2009年5-6月

この記事は、シャノン・オルター、CPM®の新しいIREMキー・レポート小さなテナントとの対処の仕方からの抜粋です。

金曜日のお昼、貴方は、貴方がリースしている近隣型ショッピング・センターの美容院、アンドレズ・アチチュードのアンドレさんと未払いの家賃についてお話をするために、彼の店に入りました。ところが、アンドレはどこにも見当たりません。他のスタイリストの話によると、彼が店に出てないのは今日だけではなく、旅行中でいつ帰るか分からないと言うのです。いつものリセプショニスト兼簿記係は病欠で、いつまたどこで家賃の小切手を渡してもらえるのか、知っているだれも人はいません。

家賃を払ってもらうためにアンドレを探さなければならないのはこれが2ヶ月目で、ショッピング・センターのオーナーは、今日、彼を不履行と見なすことを望んでいます。アンドレが見つからないので、現在毎月の売り上げがいくらなのかも、見当がつきません。助けてくれる人を探しているうちに、店内がずいぶんみすぼらしいことに気付きます。金曜日のお昼だというのに、サロンは閑散としており、ヘアスタイリストも二人しかいません。貴方はがっかりして、頭がパニック状態になります。どうすればいいのでしょうか。

こんなとき、貴方は何でもいいからどうにかして問題を解決したいと思うでしょう。しかしまずするべきでないことからお話しましょう。

オーナーに黙っていてはいけません。ほとんどのオーナーは、特に不履行になったテナントとか、誰かがもうすぐ出るなどと言う大きな問題で驚かされることを嫌います。オーナーにとって、テナントの予期しない転出を、地元の新聞記事、テレビのニュース、あるいはテナント本人から聞くことほどいやなことはありません。良くないことでも、こういうニュースはすぐにオーナーに知らせて、同時に提案や解決策を出すべきです。

月曜日まで待ってはいけません。直感を無視しないでください。さらに悪い状態になるのではないかと感じるときは、普通その通りになるものです。この時点で心配しなければならないことは、1) ちゃんと支払ってもらうことと、 2) テナントが急に店を閉めて出て行ってしまわないようにすると言うことです。「夜逃げ」の可能性は、美容院やレストランなど、高価な備品や設備の多いテナントは可能性が低いですが、それでも心配しなくて良いわけではありません。テナントに来てもらって、小切手を手にすることは、早ければ早いほど良いのです。

即決してはいけません。困っているテナントは、しばしば、オーナーに家賃を下げてもらったり、繰り延べてもらったりすることに合意してもらおうとします。どうすればいいのでしょうか。オーナーとあらかじめ話し合ったのではない限り、アンドレのようなテナントとやっと電話で話せたからと言って、支払を遅らせる、あるいは下げることにすぐに合意してはなりません。家賃を払ってもらい、テナントに存続能力があるかどうかを判断するのがあなたの仕事です。
テナントがだめになってしまうか、一時的に困っているだけなのかは、どのようにして判断できるでしょうか。テナントに問題があることを示す兆候は、四つあります。

  1. 焦点がなく、整理整頓されていない。店に入っても、何を売っているのかさえ分からないような状態で、すぐに出た経験はありませんか。いろんなものを売れば儲かると思っている小売店がありますが、何かに焦点を当ててこそ、物は売れるのです。また、展示物、カウンター、棚などが散らかっていると、欲しいものが見つからなくてお客を失ってしまいます。今日のような不況の時代でも、理由もなく行き当たりばったりのセールをする小売店は、販促と販売戦略を見直すべきです。
  1. 支払遅延。ガーティーズ・ギフトから電話があって、今月の家賃は数週間遅れるとのことでした。遅れるのは、これで2ヶ月連続です。彼女は客足が減ったと言っており、離職する人もいて、売り上げが減っています。こういうときは、貴方の頭の中で警鐘が鳴っているべきです! 状況を調べたところ、ガーティーさんはそう遠くないところにもう一軒店を開けたので、仕事への取り組みも売り上げも希薄になったようです。「離職」の理由は、実は貴方のセンターの店から新しい店に従業員を何人か移しただけでした。ガーティーのリースには、特定の距離内に他の店を開けて(貴方の店に影響を与えて)はいけないという半径条項が入っていないということに気がつきましたが、後の祭りです。

    支払を遅らせることを検討する場合、小さな家族経営の店は、通常、いったん数ヶ月遅れると、過去の家賃を埋め合わせすることはできなくなります。あなたの仕事は、真実を探り、支払ってもらうことです。何かの状況の変化、拡張あるいは縮小など、重要なニュースがないかどうか、テナントのウェブサイトを時々調べることも良いアイデアです。
  1. 顧客サービスの問題。トップの小売店は、顧客サービスの重要性、特に不況のときには、それによって差別化されること言うことを理解しています。多くの場合、小さな小売店は、客を呼ぶだけでなく、維持するための訓練と動機付けの必要性を見過ごしています。ガーティーが急に営業時間を短縮したり、スタッフを減らしたりしたら、要注意です。キャッシュフローがなくて従業員に給料が払えないなど、もっと大きな問題が起こる可能性があります。キャッシュフローが足りないと、来月の家賃の支払はどうなるでしょうか。
  1. 異常挙動。こういうことは、そう多くはないかもしれませんが、テナントに異常な挙動が見られる場合、通常、もっと大きな問題があることを示しています。以前おとなしかったおばあちゃん風のイタリアン・レストランのオーナーが、オーナーに知らせることもなく、許可なしに、ショッピング・センターの駐車場で、派手なパーティーを主催するようになりました。なぜこんなことをするのか尋ねたところ、テナントは、レストランの売り上げが下がったので、客引きのためにやっているというのです。もちろん、派手なパーティーをすることは、契約上、テナントがしてもかまわないことの一つではありません。確かに、テナントのこの行動は、客足を伸ばすことにはなるかもしれませんが、これによってテナントやショッピング・センターの売り上げが上がるわけではありません。実際、このような騒ぎは、オーナーの賠償責任やショッピング・センターの評判にも影響を与えます。

何かがおかしいと思ったら、以下の五つのガイドラインに従ってください。

  1. オーナーの目標を聞いてください。何かをする前に、オーナーが何をしたいかを理解してください。私が以前働いていたところのあるオーナーは、リースどおりに家賃やその他の料金を期日までに払わないテナントには、すぐに通知を送るように指示していました。彼の考え方は単純でした。彼はお金を払って欲しい、テナントに注意を促したい、取立ての問題が起こらないようにしたいというものです。彼は、また、テナントが未払い額を支払えば、債務不履行通知を撤回すればよいと考えました。

    不況のときには、とにかくテナントがセンターにとどまるようにしたいと考えるかもしれません。私が働いてきたところのあるオーナーが一番に考えたことは、現在のテナントを維持して、できるだけ問題を避けたいということでした。そういうわけで、彼の場合は、テナントに問題があると、代替案を検討してくれることが多いのです。もちろん、オーナーの状況や優先順位が変わるかも知れないということも忘れてはなりません。
  1. 貴方の直感を信頼してください。テナントの言っていることと数字のつじつまが合っていても、経験のある管理士であれば、テナントが情報を出さない、あるいは一部隠しているときは、分かるものです。経験の浅い人は、仕事仲間や上司に相談してください。前述したように、何か変だと思ったら、ほとんどの場合その通りなのです。相談してみるだけの価値はあります。
  1. テナントに注意を払ってください。机の前に座っているだけではだめで、テナントを訪問するべきだということはみんな分かっているのですが、なかなかできないものです。これには、忙しい、月間報告書を作らなければならない、予算を作らなければならないなど、数限りない理由があります。テナントを訪問する回数を増やすと、コミュニケーションが良くなるだけでなく、潜在的な問題に気がつくのが早くなります。テナントの店を常日頃から訪問することは、成功の大きな要素です。センターに行くことはテナントを評価する良い機会だと考えることが重要です。
  1. 影響を検討してください。テナントの家賃を下げると、家賃の額面が下がり、センターの価値に悪影響を与えるということに注意してください。他の「コスト」も考慮するべきです。一人のテナントの家賃を下げたからと言って世の終わりが来るわけではありませんが、そのうち、他のテナントも似たようなリクエストをするようになるでしょう。
  1. 理由を見つけてください。事実が分かれば、なぜテナントの状況が悪くなったのかを正確に知ることができます。売り上げが落ちると、すぐに客足が減ったことをオーナーのせいにし、テナントが家賃を下げるように要求することは、珍しくありません。しかし、賢明な管理士は、テナントの売り上げを良く調べ、ショッピング・センターのカテゴリー別のトレンドに注意しています。何かを決める前に、売り上げが下がったことの原因を探り出すことが大切です。売り上げの低下には、ビジネス手法が悪い、不況、客足が減る、顧客サービスが悪い、在庫や商品が悪いなど、いろいろな理由が考えられます。

最後に、テナントの売り上げ低下にどのような込み入った理由がありえるか、ひとつの例を挙げましょう。以前、観光地にある高級専門店センターに、小さなギフトショップがありました。この商店は、あるテーマを中心に良い品をそろえ、顧客サービスも良く、顧客ベースがあり、有名な観光名所の目の前にありました。家族に不幸があり、お金では買えないような宣伝効果が初日からありました。全国紙や雑誌、テレビなどで店が報道され、うわさになってお客がたくさん来たのです。

最初からうまくいったので、テナントは、宣伝費を使う必要はないと考えました。1-2年して、うわさも納まり、客も減りました。店のオーナーは、すかさず私のところに来て、客足が減ったから売り上げが減ったと主張し、家賃を下げるように要求しました。

ショッピング・センターのほかの店舗の売り上げは、現状維持か上向きでしたので、私は詳しく調べる必要があると判断しました。家賃を下げても一時しのぎに過ぎないのではないか。この商店は、長期的に見て生き残れるか。私たちは、商店の売り上げ、カスタマー・サービス、販促を詳しく調べました。また、小売のコンサルタントを雇って、品揃え、在庫、仕入れの仕方について調べてもらうよう勧めました。

すると、この商店は、主な収入源である商品の在庫がなく、それが原因で客が買うことができないでいるということが分かったのです。また、彼は、目覚しい、そして無料の販促に慣れてしまって、宣伝費を使わないことにしていたのです。そのため、新しい顧客が来なくなったのです。ちょっと説得するのが大変でしたが、最終的にはこれらの問題を解決して、売り上げがまた伸びるようになりました。

著者紹介:
シャノン・オルター (shannon@alterconsultinggroup.com)、CPMは、カリフォルニア州サンタ・アナの不動産コンサルタントです。会社、オルター・コンサルティング・グループに関しては、Alterconsultinggroup.comをご覧ください。

「小さなテナントとの対処の仕方」Strategies for Working with Small Tenantsは、 IREMのウェブサイトでどうぞ www.irem.org

 

 

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