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CPM は、不動産を一人でどれだけ管理できるか
管理士に適切な数の物件を割り当てるには、多くの計算と少しばかりの勘が必要

(“How Many Properties Can a Property Manager Manage?” Nov/Dec 2007)

By Hal Cottingham, CPM & Richard Muhlebach, CPM
ハル・コティンガム、CPM、リチャード・ミュールバック、CPM

不動産管理業務の昔からの難問の一つは、「一人の管理士がどれだけの物件を管理できるか」です。その答は、いつも、「うーん、それは時と場合による」でした。

上級不動産管理士は、しばしば、いつ不動産管理士が管理できる物件の最大数に達したかを、勘を使って判断しなければなりません。しかし、管理士が管理できる物件の数を数値化する方法はあります。

気が狂いそうな方法

管理士が管理できる物件の数を計算するには、まず、会社の運営方法を評価し、それぞれの物件の管理業務を見積もらなければなりません。そのためには、会社は以下のような点を考慮に入れて、点数制度を作る必要があります。

点数制度を作るためには、上級不動産管理士が、会社の管理哲学、会社の運営の仕方、不動産管理士の経験を評価する基準を作らなければなりません。その上で、決められた基準にしたがって、管理業務に基づいた点数を各物件に割り当てます。

会社は、各不動産管理士がどれだけの点数を処理できるかを決めなければなりません。それから、総合点数がその範囲内になるように、管理士に物件を割り当てます。最終的に、管理士が管理できる物件の数の判断は、評価手順の客観性と、会社の管理士の業務に関する上級不動産管理士の直観的理解にかかっています。

この手順は、各種の商業系や居住系物件に使えます。評価用紙は、どのような種類の物件であろうと、あるいは複合物件であろうと、簡単に作成することができます。

常に複雑

会社を正確に評価するには、五つの変動要因を考慮に入れる必要があります。それぞれの変動要因は、不動産管理会社がどのように運営されているかの判断に使われ、それが、平均的な不動産管理士が管理できるポートフォリオの中の物件の点数の範囲の基準となります。

会社の評価において最初に考慮する変動要因は、不動産管理会社あるいは管理課が、自社あるいは親会社の物件を管理しているのか、それとも第三者管理業務を提供しているかです。

一般的に、自社物件の管理のほうが、第三者管理業務よりも簡単です。自社管理の場合、達成目標、会計システム、報告要件、使っている不動産管理ソフトなど、みな同じです。しかし、第三者管理業務を提供している会社は、顧客も、達成目標も、報告要件も、使わなければならないソフトも、みなそれぞれ違います。

と言うことは、自社物件を管理している会社の管理士は、第三者管理業務をしている管理会社の管理士よりも、多くの物件を管理できる、あるいは多くの物件点数を割り当てることができると言うことです。

会社を評価するときのもう一つの変動要因は、その業務です。会社は、管理士に与えられている事務や経理、また監督その他の資源と、付加的な職務を詳しく調べるべきです。

商業系テナントに転嫁するコストの比例配分、年末調整、歩合家賃の計算などの経理責任を、不動産管理士に割り当てる会社もあります。このような計算は経理の人間のほうがより効率的かつ正確にできると考え、管理士にはできるだけ現場で物件を管理してもらうようにしている会社もあります。

秘書のいない管理士、あるいは、リース業務、経理、造作変更の監督など、付加的な職務を与えられている管理士は、物件管理の時間が減ります。そのような管理士には、それほど多くの物件を割り当てることはできません。その場合でも、リースや造作変更の監督をして入る収入のほうが、管理士のポートフォリオに一つ二つの物件を足すことによって増える収入よりも、はるかに多いことがよくあります。

不動産管理会社が提供する業務のレベルも、分析すべき重要な変動要因の一つです。すべてのオーナーが、同じレベルのサービスを必要としているわけではありません。複雑な会計報告など必要なく、随時物件を見に来る地元オーナーと違って、機関投資家は、レベルの高いサービスを必要とします。実際、地元のオーナーは、サービスのレベルを下げて管理手数料を下げることを好みます。

会社が考慮すべき最後の変動要因は、管理士の経験と能力です。熟練の管理士は、新米よりも多くの、そして難しいポートフォリオを管理できます。管理会社は、熟練の管理士用と新米の管理士用の点数を、分けて設定すべきです。

管理士の作業慣行と効率も、管理できる物件の数に影響を与えます。この管理士は、リース業務、ローンの組み替え、物件の売買の経験があるか。この管理士は、造作変更の監督や手配ができるか。これらの能力が、その管理士がどの物件を管理するか、また管理できる物件の数を決めます。

分析してみてください

管理会社を評価した後で、それぞれの物件とその管理業務の評価システムを作ります。ぞれぞれの不動産管理業務と物件の場所に数を割り当てて、その合計が物件の点数になります。

各不動産管理業務に点数を割り当てるに当たって、上級不動産管理士は、各管理業務のベースラインを決めるために、まったく別の変動要因(補足記事参照)を考慮しなければなりません。それぞれの物件の管理業務あるいは変動要因は、その上で、ベースラインの点数を使って評価します。上級不動産管理士は、会社が現在管理している物件を評価して、それを、上記のシステム作成の起点にすることができます。

上級不動産管理士が自社の基準を設定し、各変動要因のサービスのベースラインの業務レベルを決め、この方法を発表し導入してしばらくの間使うと、作ったシステムや点数配分に次第に自信を持つことができるようになりますが、そのうち、ポートフォリオの大きさを決める点数を調整することもあるでしょう。

不動産管理会社は、それぞれ、自社の管理哲学と運営の仕方が違います。各不動産管理会社は、管理する物件の種類、業務を展開する地理的領域、提供する業務の種類や程度、物件のオーナーや依頼人の種類など、特定市場を持つようになります。

この分析の最終段階は、管理できる点数の範囲にしたがって、管理士に物件を配分することです。上級不動産管理士は、新米から熟練の管理士が管理できる点数を、会社の業務、特定市場、管理哲学にしたがって決めなければなりません。

管理士にどの物件を管理させるかに関して、考慮しなければならない直感的な要素は、依頼人と管理士の性格の適合性、物件の要件と管理士独自の能力や経験の適合性、その他の主観的要素など、数で表現できない部分です。

評価システムは、各物件の管理集約度を評価して作ることもできます。会社の業務に評価システムを導入することによって、管理士のポートフォリオにどれだけの物件を入れるかを決める客観的なシステムができます。

さてCPMはどれだけの物件を管理できるでしょうか。これは、数値で表すことのできる問題です。この問いの答は会社によって違いますが、それぞれの会社で、その管理士が管理できる物件の数を決める基準を設定することができるのです。

この記事に関する質問の宛先 mnaso@irem.org

管理業務の点数のつけ方

各物件に業務点数をつける際、管理会社は、以下の変動要因を考慮しなければなりません。すべてのタイプの物件に共通する業務もありますが、物件によって違う業務あるいは変動要因もあります。

物件の大きさ:通常、大きな物件ほど管理業務が多くなります。

物件の築年数:通常、古い物件ほどメンテが多く、そのほかにも対処しなければならない問題が増えます。

テナントの数:商業用テナントへの請求書発送、家賃取り立て、転嫁する費用の年末調整、メンテの要請などは、物件のテナントの数に正比例します。

テナントとの関係やその他のテナントに関する問題:多くの商業系管理会社には、管理士が各テナントを毎月あるいは四半期ごとに訪問することを義務付けるポリシーがあります。もっと頻繁に訪問するテナントもあるでしょう。訪問するためには、数分から30分程度かかります。

物件の場所:携帯、簡易電子メール、ラップトップ・コンピューターなどがあっても、車を運転している時間や飛行機に乗っている時間は管理効率を下げます。

地域社会参加:不動産管理士が地域社会に直接関わることはほとんどありませんが、地域社会の問題や市町村の規制に関して物件を代表しなければならないことはたまにあり、通常、かなりの時間をとられます。

個々の物件の問題:問題のあるテナント、大きなメンテの問題、警備の問題などがあります。

管理責任:リース業務やテナントの造作変更の監督など、補足的な職務は勤務時間に大きな影響を与えます。

物件の改造:総合建設請負業者や複数の請負業者の改装工事の監督や手配をする場合、管理会社はかなりの手数料を取ることができますが、この業務は時間のかかる仕事です。

現場の保守管理者:現場に保守管理者のいる物件は、不動産管理士を多くの日常運営業務から解放してくれます。現場の保守管理者は、迅速に保守の要請に対処し、請負業者や納入業者に電話し、請け負い業者の監督をし、テナントの運用問題に対処できます。


試してみましょう

大きなテナントが入っている路線沿いの帯状ショッピング・センターや低層のオフィスビルなどを含む商業系物件の複合ポートフォリオの評価を、仮想の例として考えて見ましょう。

第三者管理業務をしている不動産会社が、地元と州外の投資家に、中程度のサービスを提供しているとします。管理士は、8年の経験を持つCPMです。彼女は、もう一人の管理士と二人で一人の秘書を持っており、会社の経理が、テナントの転嫁経費の比例配分や年末調整の計算をしてくれます。管理士は、一つの物件のリース業務と、三つの物件のリース更新業務を預かっています。各物件の管理業務あるいは変動要因の基本数は、5段階評価で2.5です。この会社の熟練管理士は、175-200点のポートフォリオを管理することが求められています。

 

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