To Market, To Market
ミキシングアップ!
(“To Market, To Market”, JPM® Jul/Aug 2005)
マーケティングプランがうまくいかないときには、ちょっとした微調整が必要なのかもしれない
by Bridget McCrea
HASコマーシャルリアルエステイトのポートフォリオ(1500万平方フィート)には、利益のでないアセットはありえない。シカゴにいるプロパティマネージャーが管理するオフィスビルディングのうちの1つ(650,000平方フィート)がもはや新しい入居者を引きつけていなかったとき、同社はそのアセットのマーケティングプランを微調整するべきであると分かっていた。
「そのアセットはリニューアル時全ての期待値を上回るパフォーマンスを見せていたが、新しい入居者を呼ばなくなっていた。」と、クリスティーン・レナード(マネージメントオペレーション部門、副代表)。現地のブローカーは、問題となるのはクラスCスペースが現在のトレンドに合わないものになっていると見た。HVACシステムが最近グレードアップされたなど、アップデートの試みは見られるがそれが新しいテナントを呼ぶにはいたっていなかった。
状況を改善させるため、レナードと彼女のチームはマーケティングプランを注意深く時間をかけて見直しした。物件が仲介コミュニティにどのように出されているのか調べ、「テナントリファレンス」のリストを作成するために現在の入居者の満足度を調査し、オーナーが過去数年の間に行った設備改良を宣伝した。
「我々はまた、ブローカーをプロパティツアーに誘い、新たな居住者を引きつけるプログラムの作成を行った。」とレナード。マーケティング活動は成果を挙げる。その物件は初めて92パーセントの占有率を達成し、クラスBランクになった。
ダン・ミランダ(HAS代表)は、そのような的確なマーケティングプランは、会社が「最高種の」ポートフォリオを保ちつづけることができる一因であると考える。物件は11の州に散らばっているため、継続的に分析してカスタマイズし各アセットごとに異なるマーケティングプランを作成するべきだ、とミランダ。
「物件の価値を上げる方法は一つではなく、そのためたとえ物件が効率的に稼動しているとしても、我々はまだコストをおさえる余地はあると見て、更なるテナント保持戦略を追求することに力を入れている。」と、ミランダ。「我々が見るマーケティングプランの肝は、1.誰にでも理解できる言葉でその物件のゴールを示し、2.結果をベンチマークする基準値を持ち、3.結果にあわせて修正できる柔軟性を持つということである。」
主眼点、基本、実務
マーケティングは「個人と組織の目的を達成するアイディア、商品、サービスの交換を行うためのコンセプト、プロモーションを計画し実行する一連のプロセス」と定義される(アメリカマーケティング協会)。マーケティングは全てのプロパティーマネージャーの主要業務である。
マーケティングゴールを明確に示すために、会社はマーケティングプラン(=目的を達成するのに必要な行動を詳述した文書)を持つ。文書はそれ一つで完結するものである場合もあるし、大きなビジネスプランの一部である場合もある。
ジェイ・リップ(ミネアポリスに拠点を置くイマージュマーケティング代表、“成長ビジネスのマーケティングツールキット”著者)によると、激しくなる競争が、より一層綿密な計画を立て練り上げられた計画書の作成の必要性を強めたという。
「どのようなビジネスにおいても、適所に的確なプランがあることはマーケティング活動にとって重要な要素である。」と、リップ。「競争相手は、年々マーケティングの洗練度を上げてくる。それに見合うプランなしでは、すぐに取り残されてしまう。」
アメリカ中小企業庁によると、優れたマーケティングプランは、あなたの市場、立地、ターゲットカスタマーグループ、競争、価格設定、位置取り、製品とサービス、広告とプロモーションに関する情報を含まなければならない。基本プランは次のように分割できる:
ビジネスの定義;以下を明確にする。あなたの製品またはサービス、地理的マーケティング規模(ローカル、中規模、全国)、差別化の手法、価格、広告の手法。以上を競争相手について同様に定義しなさい。
カスタマーの定義;現在のカスタマーベースに関する情報を分類する。カスタマーがどのようにあなたの製品またはサービスを知るか(広告、ダイレクトメール、知人、職業別電話帳)、現在のカスタマーと潜在的カスタマーのパターンまたは習慣(どこで買い物し、どんなものを読み、見て、聞くか)、あなたの製品またはサービスについてカスタマーが最も喜ぶバリュー(そして最もどうでもよいバリュー)、あなたが現在得ることができていないカスタマー。
プランと予算の定義(一つ前のマーケティングプランを見直し、カスタマーとのコミュニケーションはどの手法が最も効果的だったかを考える。);以下を明確にする。売上と比べたコスト、一人のカスタマーに費やすコスト、新しいカスタマーを引きつける将来のマーケティング手法、マーケティングキャンペーンに割り当てる利益のパーセンテージ、予算の範囲内で実行することができるマーケティングツール、マーケティングアイデアをテストする手法、マーケティングキャンペーンの測定結果。
リップは、プロパティマネージャーがマーケティングプランを改良、調節するためには、以下のことも知る必要があると言う。:マーケティングゴール(あなたの成功はどの数字から知ることができるか)、ターゲットカスタマーのニーズ(誰がなぜあなたから買うか)、市場位置取り(何があなたを他と違うものとするか)、キーとなる戦略と戦術(どのように見込み客にアピールするか)、進歩を測るマトリックス(あなたがやっていることはどれだけ効果的か+ゴールへの到達度)。
マトリックスはプランの中で最も重要な要素のうちの1つである、なぜならマネージャーはそれをもとにベンチマークを行い必要において微調整することができるからである、とリップ。「(マトリックスによって)プランのどこが計画通りで、どこが成果を挙げていないか分かる。それが分かればどこを修正すればいいのかすぐに分かる。」
それが大事
アトランタに拠点を置くカーターアンドアソシエイツ(AMO潤・/font>)は20,000平方フィートのスペースを管理している。定期的なマーケティングプランの作成がそのマルチテナントオフィスとリースプロジェクトのために行われている、とホリー・ヒューズ(CPM潤・/font>、上席副代表)。「物件を市場に出す時、必ずプランがある。これは重要なことだ。」
通常、プランはカーターアンドアソシエイツとオーナーの協調努力によって作成される。そのようなコラボレーションは不可欠である、なぜならオーナーの目的とゴールは全体的なマーケティングキャンペーンに融和しなければならないからである、とヒューズ。プランの要点は単純である:“どのように”カーターは製品を市場に届けるのか?
新しいプランを作成するとしても、既存のアプローチを利用するとしても、ヒューズのチームはターゲットとなるものを細かく分析するという。観察するポイントは対象物件のタイプによって大きく変わる。ある者はメールなどで情報を受け取るのを好み、ある者は直接会話するほうを好む。ある者が建物の詳細な情報に鋭く反応し、ある者は建物全体のコンセプトのプレゼンテーションを見たいと思う。
「マーケティングプランは、多くの人々の関心を集めるための本当にたくさんの異なるフォームとコミュニケーションの手法をもつ。」とヒューズ。
微調整、微調整、微調整
ティム・ベリー(ユージン(オレゴン)に拠点を置くパロアルトソフトウェア代表、Marketing Plan Pro創作者)によると、分析と調整が必要な弱いマーケティングプランは、減少しているリード(問合せ総数)と新規顧客、停滞した販売数の伸びを徴候として持つ。
「要するに、同じいつものカスタマーに売り込み、新しいカスタマーにはまったく話さない。そうなったときが、間違いなくプランを見直す時期だ。」と、ベリー。
カーター&アソシエイツでは、マーケティングプランは市場状況、経済状況と建物に特有の状況の変化をモニターし、定期的に修正されている、とヒューズ。例えば、250,000平方フィートの空きスペースに対応したマーケティングプランはそのスペースが75,000平方フィートの空きを残すまでになった時(特にテナントプロフィールセクションは)修正を必要とする。
リード増加をマーケティングの核として、第一段階は既存のプランの検証とそのプランが現在までに至る間、ゴールにどれだけ近づいたのかを確認することだ、とベリー。そして以前のプランがどれだけ優れていたか、または間違っていたかは忘れることだ。その代わりに、改善できる手順はどこなのかということに集中して、新プランをその会社にとって効率的なものにするべきだ。
テナントからの聞き取りを忘れてはならない、とリップ。進行中のリサーチやテナントとの会話によって、プロパティマネージャはマーケティングプランを微調整する洞察力を得ることができる。キーとなる質問は以下を含む:我々は今もテナントのニーズを捉えているか?なにが不足しているか?テナントはこの資産が提供するものに今も興味を持っているか?
「この3つの質問は、あなたの新しい(または更新された)マーケティングプランの中で使うことができる価値あるフィードバックとなる。」と、リップ。彼はマーケティングプランの実施を正しくできない会社を見てきた。彼らは情報を集めプランを作成するのには熱心だ。しかしあまりに多くの会社がそのプランをどのように実行するかについて考えていないと彼は言う。
「10のうち9のプランは実施計画不十分なために失敗する」とリップ。「多くのプロパティマネージャは日々の(少なくとも毎週)必要な実行ステップをいつからかやらなくなってしまう。理由は、興味を失うか、他の業務があり時間がなくなってしまうかである。」
続ける力
マーケティングプランの効果的な実行は新しいテナントを引きつける以上の意味を持つ。現在のテナントを満足させるだけでなく、新しいオーナーを捕まえポートフォリオに加えることができる。それはどんなビジネスプランにとっても究極の目的である。
「狙いが絞られ、実行されて、更新されるマーケティングプランは、より高い占有率と占有率の変動の最小化を生み出す。」とリップ。「それは、より高いレベルのキャッシュフローに至る。」堅実なプランを持つことはマーケティングのキーである。
ブリジット・マクリア(
bridgetmc@earthlink.net)は、フロリダを拠点に活動するフリーライターである。
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