業界ニュースへ戻る
所有者の国
ラテン・アメリカの回復力が投資家の注目を浴びている
JPM2011年07-08
クリスティン・グンダーソン・ハント著
ラテン・アメリカの経済成長と海外投資家の資本の増加は、この地域の不動産市場に良い影響を与えていますが、腐敗の影、透明性の欠如、貧困の蔓延、また犯罪の多い地域などが、これ以上の繁栄を妨げています。
「南米は今いいですね。不動産は上がっています。」と語るのは、スペインのアリカンテにあるメガフィンカスの不動産管理士、ぺぺ・グティエレスCPMです。彼は、IREMのラテン・アメリカ・プログラムにも貢献しました。「しかし、問題もありますよ。危険な場所もありますし、多くの地域では、中流階級が存在しません。お金持ちと貧困層だけで、その中間がないのです。」
しかし、ラテン・アメリカは、成功もしています。2010年のクッシュマン&ウェイクフィールドの報告書世界のメイン・ストリートによると、世界59カ国の269のトップ商店街の中で、一番家賃が上がっているのはラテン・アメリカで、6.4%でした。
また、2月に発表されたもう一つのクッシュマン&ウェイクフィールドの報告書アメリカ経済の鼓動:転機 によると、2010年のブラジルの商業系オフィス市場は、「全都市圏での根強い需要、良好な吸収、家賃上昇」で、世界的に最も良い成績を残しました。
「ラテン・アメリカのほとんどの国は、どの不動産部門でも、何らかの形で成長しています」と、チリのサンチアゴのCGAI社長、フアン・カルロス・ラトーレCPMは述べています。
可能性を秘めた世界
ラテン・アメリカの近年の成長と回復力も、2009年の経済危機を逃れることはできませんでした。
世界各国の社会経済政策を推進している国際的グループ、経済協力開発機構の情報によると、輸出は3.5%、GDPは1.8%減りました。
しかし、世界のメイン・ストリートによると、この地域のマクロ経済の基本的条件、規制と活況産業が、今までの不況に比べて、早く回復することを可能にしたのです。
その回復力は、不動産のほとんどの部門で家賃が上がっていることを見ても分かりますが、特にブラジルは、多くの投資家の注目の的になっています。回復力以外に、リオデジャネイロで開かれる2014年のワールドカップと、2016年のオリンピック、そして銅、鉄鋼、原油などの天然資源なども、投資の動機になっています。
「不動産資本分析」の情報によると、不動産投資家は、2010年10月までに米ドルで59億ドルをラテン・アメリカの不動産に投資し、ブラジルがその70%を占めています。
グティエレス氏はこう述べています。「今は、ラテン・アメリカにいい投資があります。私は経済学者ではありませんが、ブラジルには、将来経済的に強くなる条件と天然材料がそろっていると思います。」
すべてがブラジルにかかっている
ブラジルの不動産市場の投資は、全セクターがターゲットになると思われます。しかし、アーンスト&ヤングの報告書、可能性の世界:ブラジルのホテルの投資機会によると、ホテル業界は、特に投資のチャンスです。
アーンスト&ヤングが行った60のプライベート・エクイティー・ファンド管理士、投資銀行家、不動産開発業者のアンケートによると、ブラジルに興味を持っている投資家の50%は、ホテル業界にも興味を持っています。
クッシュマン&ウェイクフィールドの経済動向の報告によると、ブラジルの雇用は1.6%の上昇が見込まれ、正の吸収と家賃の上昇も手伝って、堅調なオフィス市場は安定した成長を続けると思われます。
ブラジルの小売市場も急ピッチで成長しています。ショッピング・センターの協会であるABRASCEの情報によると、ブラジルでは、16のショッピング・センターが2010年にオープンし、2011年には26オープンする予定です。この情報によると、ショッピング・センターの売り上げは2010年に18%上昇して、米ドルで500億ドルに達しました。
居住系の市場は、ブラジルでもラテン・アメリカ全体でも、賃貸市場が非常に小さいのが特徴的です。ほとんどの複数世帯住宅は持ち主自身が住んでおり、政府が多額の援助をしています。グティエレス氏によると、人口の約85%がマイホームを持っています。したがって、居住系の賃貸市場は、あまり調査されていません。
ラトーレ氏はこう述べています。「ラテン・アメリカは所有者の国です。ほかの国では賃貸市場が大きいですが、ラテン系の人は、何と言っても、持ち家が欲しいのです。ですから、不動産の賃貸市場は、持ち家に比べて非常に低いのです。」
豊富なビジネス・チャンス
不動産管理市場は、すでに地域によって大きな差がありますが、ラテン・アメリカの市況と不動産市場の変化に伴って、管理業界も変わると、あるCPMメンバーは述べています。
ラトーレ氏によると、現在のラテン・アメリカの不動産管理は、持ち家が多いので、マンションや物件のオーナーたちの管理です。その結果、ほかの地域と違って、物件の融資などに関する教育はあまり受けていません。市場に賃貸物件が増えるにつれて、これも変わるでしょう。
「多くの不動産管理士が不動産管理の従来の方法を勉強することに興味を持ち始めています」とラトーレ氏は述べています。
地方の管理士が勉強している間、もっと地位のある不動産管理士には多くのビジネス・チャンスがある、とグティエレス氏は述べています。
「レベルの高い管理会社を探すのは大変です。本当に仕事ができるプロフェッショナルな会社は少ししかありません。投資家や会社は、良い管理士や管理会社を探しているのです。」
—
クリスティン・グンダーソン・ハントは、JPM®の寄稿者の一人です。この記事に関して質問のある方、あるいはJPM®に寄稿したいIREMメンバーは、マリアナ・トスカス・ノワック、mnowak@irem.orgにメールしてください。